20代女性。数年前から夜になると空腹感に我慢できず、買ってきた菓子や冷蔵庫に入っている食べ物をあるだけ食べてしまいます。昼間は仕事で忙しく、夜、不安が強く落ち着きません。食べた後は、太ることが心配で、吐くだけでなく下剤も飲んでいます。次の日、食品がないことを母に叱られることもあり、どうしたらいいかと苦しい日々です。
女性に多い摂食障害
摂食障害という病気が特に若い女性に増えています。これは神経性食思不振症（拒食症）と神経性過食症に大きく分けることができ、どちらもやせ願望と肥満恐怖が背景にあると考えられます。相談の方は後者に当てはまります。何事にも自信がなく憂うつで、食物やカロリーへの強いとらわれがあると同時に、戸締りなどの確認や手洗いを繰り返すことも多くみられます。自分がいま、うれしい、つらい、悲しい、怒っているなどの感情に気づきにくい特徴もあります。
治療はその人の標準的な体重を確認し、身体的・精神的な合併症を改善していくことから始めます。自分のことを後回ししてしまう人が多いので、適切な自己主張の仕方を練習することも有用です。また、当事者同士で話し合うミーティングが回復に役立ちます。