健康なんでも相談室

頸椎椎間板ヘルニア

回答者:  鳥取県東部医師会員 髙橋敏明

質問

 40代女性です。しつこい頭痛と肩こりに、指から肘にかけて痺れが生じたり消えたりで、軽い頸椎椎間板ヘルニアだろうと、診断されました。 以前、腰椎椎間板ヘルニアをしており、しばらく再発は無かったのですが、今度は脛椎にきたようです。 首も腰も椎間板ヘルニアになる人は珍しいようですが、どういった理由が原因と考えられますか? また、肩凝りは我慢するにしても、頭痛は我慢しづらいです。我慢出来ないときは痛み止を飲むつもりですが、指から肘にかけて痺れがあるような状態では、発症からどのくらい頭痛は続くものでしょうか?

 

 

回答

 肩こりと手のしびれ

 

 中高年に生じる肩こりと腕や手のしびれの原因は頚椎症や頚椎椎間板ヘルニアなど頚椎の加齢性変化によることが多いです。後頭部に痛みが起こることもあります。椎間板の老化は単に加齢だけではなく遺伝的要因や椎間板の代謝異常が関係し、姿勢や重労働の他、肥満や喫煙の影響もあると考えられています。質問では手の症状が片側か両側なのか不明ですが、おそらく片側なのでしょうか?片側であれば頚椎の神経根(しんけいこん)が圧迫されて、その支配する領域に症状がでています。治療は薬物療法が中心となりますが、最近では一般の鎮痛薬で効果が得られないときにはプレガバリンなど神経痛のための鎮痛薬も処方されています。眠気やめまいなど副作用がでることもありますが、整形外科で相談してみられるのもひとつかと思います。その他、頚椎カラーを装着したり、ブロック注射、温熱療法など理学療法を行ったりします。症状は約3~4か月で軽快することが多く、手術にいたることは少ないです。しかし症状が両側で箸がうまく使えなかったり、足にもしびれがあり歩行障害や排尿障害など出てくる場合は脊髄(せきずい)が圧迫されていて、手術を要することがありますので注意が必要です。