公益社団法人 鳥取県医師会

質問

57歳女性。子宮がん検診を受けた際ポリープが二つあると言われ、一つはとりましたが、あと一つは根がしっかりしているので出血があったときに来るように言われました。検査は異常なしでしたが、このままほっておいていいでしょうか。ポリープはどうしてできますか。

回答

頚管ポリープは子宮頚管の粘膜から発生し、腟内へ垂れ下がってくる赤くやわらかい良性の隆起性病変（ポリープ）です。悪性化することはごく稀です。大きさは、数ミリぐらいのものがほとんどですが、2～3cmになるものもあります。原因は不明ですが、女性ホルモンと関係が深いと考えられています。30～40才代に発生が多いようです。自覚症状は、不正性器出血が主ですが、症状がない場合もあります。無症状であっても、やがて不正性器出血を起こすことがあるので切除したほうがいいでしょう。切除は、茎を挟んでねじり切り、切除します。痛みを伴うこともなく簡単に切除できますが、少量短期間の出血を伴います。切除しても数年で繰り返し発生することがあります。しかし、茎が太いものなどは、無理に切除すると出血が増えたり、長引いたりします。こういう場合は、電気メスやレーザーメスを使って切除することもあります。しかし、自覚症状がなく、表面がきれいで不正出血の原因となりそうにない場合で、子宮頸部細胞診（いわゆる子宮頚癌検診）に異常がなければ、経過をみていいと思います。不正性器出血の原因になる場合は切除した方がいいでしょう。

ご質問のケースは、癌検診の結果に異常がなく、自覚症状もなく、大きさもあまり大きくなく、近い将来頚管ポリープが不正性器出血の原因となりそうにありませんので経過をみていいと思います。できれば、定期的に産婦人科医の診察を受けてください。