健康なんでも相談室

難治性アレルギー性鼻炎

回答者:  鳥取大学耳鼻咽喉科 竹内裕美

質問

難治性アレルギー性鼻炎

もう10年以上、アレルギー性鼻炎で近医に通っていますが、その都度内服や点鼻薬での治療ばかりでいつも再発してしまいます。手術的治療法があると聞きましたが、どんな場合が適応で、どんな方法でしょうか。

回答

薬剤無効なら外科的治療

アレルギー性鼻炎(ア鼻炎)の主な症状はクシャミ、鼻水、鼻づまりです。クシャミと鼻水は抗ヒスタミン薬、鼻づまりはステロイド点鼻液などが有効ですが、これらの薬剤で効果がない場合には外科的治療を考えます。

鼻づまりが強く、薬を使っても効果がなく、何年も口で呼吸をしているような場合には、腫脹した鼻粘膜に対する手術を行います。手術にはレーザーや薬品などで腫れた粘膜を焼く方法や粘膜を切除する方法があります。前者は出血が少ないので入院の必要がなく、診療所での外来手術が可能です。後者は粘膜の切除による出血のため数日の入院が必要です。いずれの場合も、粘膜の再腫脹を予防するために術後にア鼻炎の治療の継続が必要です。

鼻づまりよりも少ないとは思いますが、鼻水が薬剤で治らない場合には鼻汁の分泌を支配する後鼻(こうび)神経を切断する手術があります。この手術は鼻づまりの手術と同時に行うことが一般的です。

難治性の鼻づまりと鼻水に対する手術は、いずれも内視鏡を用いた鼻からの手術であり侵襲は大きくありません。しかし、最近は効果の高いア鼻炎の治療薬が数多くあるので、本当に手術が必要かどうかは専門医の判断が必要です。