健康なんでも相談室

陰部症状をともなう腰痛

回答者:  鳥取県東部医師会員 森下嗣威

質問

陰部症状をともなう腰痛

60歳代女性。数ヶ月前より腰痛があり、そのうち右足の付け根の外側が痛くなりました。最近は尾てい骨のあたりに痛みを覚え、排便の調子も悪いです。腰椎の4番と5番がすべっていると言われたことがありますが、関係があるでしょうか。

回答

整形外科で精査、治療を

ある年齢になると女性には腰や股関節の病気が出てきますので、腰椎と股関節の両方を診察する必要があります。症状から判断すると、腰椎すべり症からの腰痛、下肢痛、陰部障害が考えられます。陰部症状がある場合、排尿障害があるかどうかが治療上のポイントです。おしっこが近い、尿漏れがある、残尿がある、おしっこの勢いが弱いなどが具体的な症状です。

腰椎すべり症など、年齢とともに背骨の中の脊ずいという神経の通り道が狭くなることがあります。狭いこと自体は病気ではないのですが、脊髄の障害が出てくると病気として扱います。最初は薬物療法などで症状の改善をはかりますが、重症になると手術の選択肢が出てきます。特に排尿障害を含めた陰部症状があるときは重症ですので、画像検査による診断、治療が必要です。お近くの整形外科への受診をお勧めします。