健康なんでも相談室

関節リウマチの初期症状―早期治療が大切―

回答者:  鳥取赤十字病院整形外科部長 高須宣行

質問

45歳、女性。1カ月前から、朝起きたときに、両手が握りにくくなりました。そして、2週間前から両手首が腫れてきて、だんだん痛くなってきました。他の関節の痛みはありません。近医で腱鞘炎といわれましたが、良くなりません。血液検査でリウマチ反応がプラスでした。今後の治療は、どうしたらよいでしょうか。

回答

朝のこわばり(朝起きたときの関節の動かしにくさ)・関節の腫れ(対称的)と血液検査からは、関節リウマチが最も考えられます。関節リウマチは30~40歳の女性に多く発症し、進行すると関節の変形を引き起こし、手術が必要となる場合があります。原因は、はっきりと解明されていませんが、免疫機構の一部が破綻したために起こることが分っています。

診断は、血液検査と臨床診察である程度可能となっています。しかし、発病初期には、診断がつけにくい場合があり、2~3カ月かかることもあります。

早期に抗リウマチ剤と鎮痛消炎剤の治療を始めると、関節の変形に至らなくなる可能性が高くなります。薬の効果と副作用の確認のために、1カ月に1回程度の血液検査が必要です。

現在、いろいろな薬が開発され、以前に比べて治療法が進歩しています。しかし、関節リウマチは、なによりも早期発見・早期治療が大切です。手・足のこわばり、関節痛がある場合は、リウマチ専門医に早めに相談してください。