健康なんでも相談室

長引く体と心の不調-不安障害とうつ病の併発の可能性

回答者:  鳥取県医師会常任理事 渡辺 憲

質問

42歳、男性。40歳頃から「のぼせ」、「ほてり」、動悸、冷や汗、不眠が始まり、その後、心のバランスが崩れ、1日中もどかしく感じるようになりました。辛い気持ちも、家族にも分かってもらえず、自暴自棄になることもあります。

回答

まず、ご相談の症状のうち、身体症状は、自律神経の中で交感神経の過緊張の状態が推察されます。さらに、引き続く心の症状を勘案すると、うつ病の病態が回復せず、くすぶりながら長引いていることが考えられます。

次に、うつ病が長引く原因として、職場、家庭等における強いストレスが持続している場合、非定型(ひていけい)うつ病、不安障害とうつとの合併など、病気自体が長引きやすいタイプ等の可能性が考えられますが、両者が混ざり合っていることも少なくありません。

ストレスの多い現代社会において、うつ病の症状は多様化しており、対応する治療法もさまざまな工夫がなされるようになっています。抗うつ薬の他、気分調整薬を用いる薬物療法、認知行動療法を始めとする心理療法、場合によっては、家族との関係調整を目的とした家族療法を組み合わせながら、気長に治療を続けることが大切です。うつ病治療を専門にした精神科医療機関の受診をお勧めします。