健康なんでも相談室

酒を飲んでいて夕方の家事ができない妻

回答者:  渡辺病院医長 山下陽三

質問

夫婦に子ども3人と義母がいる家族。妻はこの半年ほど私が帰宅したとき夕食を作っておらず、酔いつぶれていることが多くなっています。妻は40歳になったところですが、以前は真面目でよく気がつき、仕事にも出ていました。1年あまり前に義母が骨折で入院してボケが出たため、熱心に年寄りの世話をしていました。疲れているのは分かっていますけれども家事をせず寝ているのを見ると、たたいてしまうことがあります。

私は親戚にも誰にも相談できず、途方に暮れています。どうしてこのような酒の飲み方をしているのか、治るものなのか教えてください。

回答

~「元気づけ」の酒も過ぎると病気に、とくに女性は要注意~

近年女性もよく酒を口にするようになり、統計をみると成人で習慣的に飲酒する人口の男女比は10対1です。そしてほぼ男性10人に対し女性1人がアルコール依存症という病気になります。ご相談の方は、キッチンドリンカーとも呼ばれ、午後4時ごろから元気を出すために炊事しながら酒やビールを飲んでおられ、このことが習慣化しています。

女性の場合、体重が少ないことや女性ホルモンの影響もあって、毎日2、3合のお酒でも1年以上続いていると、自分の意思では酒量をコントロールできなくなってきます。女性はその生活やストレス状況により、依存症になることが多いようです(図参照)。相談の窓口には精神保健福祉センターや保健所、断酒会などがあります。また、鳥取市内には「アメシストのつどい」という酒をやめたい女性の自助グループ活動があります。