健康なんでも相談室

遅発性ジスキネジア

回答者:  鳥取県東部医師会員 渡辺 憲

質問

56歳女性。2年前からドグマチールの副作用で遅発性ジスキネジアにかかってしまいました。その後アーテンを飲み、かえって悪化しています。不随意運動の部位は、舌が主で、口の中で舌が絶えず動いていて、食事の際、舌をかんでしまいます。また、体のあちこちもひとりでに動いてしまいます。さらに、身体のあちこちに何かが這っているムズムズ感も生じて、とても不快です。

回答

治療薬再検討し気長に

とてもつらいことと思います。遅発性ジスキネジアは、脳内ドーパミンD2受容体の遮断作用の強い抗精神病薬を長期間服用することによって起きる精神神経症状です。身体各所の不随意運動を特徴としており、一部、異常な感覚(ムズムズ感など)が生じることもあります。

指のふるえを和らげる働きのあるアーテンで、逆に不随意運動が悪化することが多いですので、まず、主治医の先生と相談してアーテンを休んでみてください。さらに、近年開発された抗精神病薬には、D2遮断作用の軽い種類のものが出ておりますので、主たる治療薬の再検討をしてもらいながら、気長に改善を目指すようにしてください。