健康なんでも相談室

近視

回答者:  中部医師会員 山名忠己

質問

46歳、男性。小学生の頃より近視あり、4年前には右眼は矯正しても0.1 位でした。眼底検査では強度の近視による網膜萎縮があり、今の時点ではこれといっ た治療法はないといわれました。左眼は1.5といいのですが、いずれ年をとれば同じ ようになる可能性があり、特効薬とてないそうです。私の仕事はデスクワークで、将 来が不安です。アドバイス下さい。

回答

近視は単純近視と病的近視の2型に分類されます。単純近視は、ほとんど問 題ありません。一方、病的近視(簡単にいうと、非常に強い近視のことです)は眼の 奥の網膜が薄くなり、進行性黄斑変性とか、後部ぶどう腫を生じ、重大な視力障害を 生じることがあります。あなたの場合は病的近視だと思われます。

現在、角膜、水晶体などに手術を行うことで、近視の強さを軽くすることは可能で す。しかしながら病的近視の原因は眼軸長の延長と考えられるので、こうした手術で 近視が改善されても病的近視による視力障害を防ぐ効果は期待できません。

残念なことに現在の医学ではよい方法がないのが実状です。

しかし、最近では遺伝因子研究とか、人工網膜の研究、脳に直接刺激を加えて物を みる研究など、新しい研究がなされており、10年後の実用化も夢ではないといわれて おります。

また、病的近視でも、予後の悪いものから比較的将来の不安が少ないものなどいろいろあり、専門的にそのような患者さんを診療されている施設もあります。たとえ ば、東京医科歯科大学の強度近視外来です。そうした所で診察をうけられ、仕事のこ ととか、将来のことなど相談されるのも一つの方法かと思われます。

あまりよいアドバイスとはいえませんが、参考になれば幸いです。