健康なんでも相談室

診断困難な乳腺腫瘍-アミノ酸でがんのリスクを推測

回答者:  鳥取県西部医師会員 木村 修

質問

80歳代の女性。2年前から左乳腺の小指大のしこりに気付き、近医を受診。マンモグラフィー、超音波検査、細胞診を受けましたが、診断が確定に至りませんでした。局所切除を勧められましたが、気が進まず超音波検査で経過観察をしております。しこりの大きさは変わらず、高齢でもあることから大丈夫と言われ、様子を見ていますが心配です。がんの診断法に「アミノインデックス」というものがあると聞きましたが・・・。

回答

最初に行うべきことは、乳がんを専門とする外科医の診察を受けることです。日本乳がん学会のホームページに乳腺専門医のリストが掲載されておりますし、直接に各病院の地域医療連携室にお尋ねになっても結構です。

次に、お尋ねのアミノインデックス(AICS)ですが、5mlの採血で、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がん、前立腺がんのリスクを知る検査です。その人が各がん患者とどの程度似たアミノ酸パターンを示しているかを調べ、それぞれのがん患者と同様のパターンが見られる人は、そのがんに罹っている、または、将来そのがんに罹る可能性があることを示します。

AICSは、あくまでがんの診断を行う検査法ではなく、各がんの可能性を把握して、精密検査につなげる一つの手法です。南部町など県内の一部の自治体では、住民検診に取り入れられております。また、同町内の病院で、一般の方の検診としても受け付けています。