40代、男性です。子どもの頃に蓄膿症があり耳鼻咽喉科に通院していました。その頃から臭いがほとんどわからなくなりました。大人になってからは蓄膿症はよくなりましたが、臭いはしないままです。この年齢からでも嗅覚はもどるのでしょうか？また、検査や治療についても教えてください。
嗅覚検査を
蓄膿症で臭いがわからなくなるのは、まず、鼻の粘膜などが腫れて臭いの元になる嗅素が鼻の奥まで届かなくなるためと、鼻の臭いを感じる粘膜が炎症を起こして正常に働かなくなるための二つがあります。今回の場合は後者の方になります。その場合、何年も臭いの神経が働いていないことになり、神経自体が委縮してしまって再生できなくなった状態にあると思われます。したがって嗅覚がもどる可能性はとても少ないと言えます。一般的なことですが、臭いの検査は直接臭いの元を嗅ぐ検査と、臭いがする物質を静脈注射して、数秒後に臭いを感じるどうかの検査とがあります。この静脈注射の検査で臭いを感じるようでしたら、臭いの神経は少しでも機能が残っていると思われます。その場合にはステロイドの液を鼻の中に入れる、あるいは鼻の粘膜に注射して炎症を起こした鼻の粘膜を修復する治療を行います。まず耳鼻咽喉科を受診してきちんと検査をされるのをお勧めします。