健康なんでも相談室

臥床時に足の痺れ

回答者:  鳥取県東部医師会員 重政千秋

質問

50歳代半ばの男性。5、6年前から主に秋・冬・春季に疲れると臥床時に左膝頭の裏側あたりからふくらはぎ、足先まで痺れて痛みます。起立時や歩行時には感じません。以前は腰痛もありました。また睡眠を十分にとると改善します。よろしくご指導下さい。

回答

座骨神経圧迫が原因の可能性

手足の痺れを生ずる基礎疾患には多くのものが含まれます。神経系統の障害部位により、知覚障害すなわち痺れの身体部位への出現・局在が異なります。

糖尿病性末梢神経障害では、対称性の手袋靴下型の痺れが出現します。また下肢閉塞性動脈硬化症による血流障害では、痺れや痛みは歩行時に起こり、立ち止まると改善します。お手紙の内容だと、糖尿病性末梢神経障害や閉塞性動脈硬化症などの内科的疾患ではないように思います。一方、足の内側くるぶしの下にある足根管内で足底神経が圧迫されて生ずる足根管症候群では、痺れの局在は足底や足先などに限定されます。

痺れや痛みの局在が大腿下部後面、ふくらはぎ、足先であることや以前腰痛があったことを考えますと、第4、5腰椎の障害(腰椎変形症や椎間板ヘルニアなど)による坐骨神経の圧迫が原因ではないかと思われます。坐骨神経障害では、仰臥位で一側下肢を伸ばしたまま持ち上げると大腿下部後面に疼痛を生じます。試してみて下さい。

いずれにしてもまずは整形外科、そこで異常がなければ神経内科の受診をお勧めします。