60歳代女性。最近膝に水がたまって抜いてもらいました。人から水を抜くと癖になると言われましたが本当ですか。
軟骨がすり減り炎症
中高齢者で膝に水がたまるのは変形性膝関節症という病気のことが多いようです。その原因は、関節の軟骨がすり減って炎症が起こり関節内水腫(いわゆる水)が出てくるのです。ですから、水を抜いても癖になることはありません。水を抜くからたまるのではなく、軟骨がすり減っていく現象が止まらないために、膝の炎症が持続しているからです。整形外科では、水を抜いて、関節液の性状を見て、変形性膝関節症の診断をし、同時にヒアルロン酸Naを関節内に注入して軟骨がすり減るのを防ぐ治療をします。また、レントゲン検査で病気の進行度を正しく診断し、適切な治療を追加して行います。
患者さんの努力としては、立った時に膝がぐらついて軟骨がすり減るのを防ぐために、ふとももの前の筋肉を強化する体操をしていただきます。また、歩くときに膝には体重の約３倍の荷重がかかるので、太っている方は減量していただくことです。正しい診断のもとに自分のできる予防をしていくことが大切です。