健康なんでも相談室

腰からの轢音

回答者:  鳥取県西部医師会員 山本敦史

質問

 77歳女性です。私は元々小児麻痺で、糖尿病でインスリンを打っています。52歳、56歳の時、股関節頭部骨折で人工骨とうの手術をしました。また、8年前に膝上を骨折しましたが、今まで通り歩けるようになりました。52歳から、杖を使って歩いています。天気が良ければ、グランドゴルフ、畑仕事などしていますが、時々グランドゴルフで思い切り打って体を伸ばすと、腰の骨がボッキボッキと他の人にも聞こえるぐらい音が出ます。痛みはありません。どうしてでしょうか。心配です。

 

 

回答

 繰り返す骨折の予防を

 

 諸説あり音の発生源を特定するのは困難ですが、腰を動かした時にボキッと音を感じるのは関節内轢音(クラッキング)と呼ばれるものかと思われます。これは関節液が圧力の変化により流れ込む時に気泡が弾けボキッと鳴る音と言われています。脊椎には椎間関節と呼ばれる関節が多数存在しています。気持ち良いからと腰を捻って音を鳴らすのは関節の変形や損傷につながる恐れがありますが体を動かした時に自然に音が鳴る場合は心配ありません。御相談の件においても運動している時の自然に発生する音ですので不快かもしれませんが痛みを伴わない場合は問題ありません。今まで通りグランドゴルフや畑仕事を続けられたら良いかとも思います。それと大腿骨頚部骨折など過去に骨折を繰り返しておられますが骨粗鬆症の検査は受けられましたでしょうか。糖尿病の方は食事制限によりカルシウムの摂取が不十分になったり、インスリンの不足は骨を作る細胞の働きを弱めたりして骨量減少となり骨折の危険があります。今後も健やかな老後を送るためには骨の健康にも注意され骨量測定などの検査を受けられて骨密度が低ければ次の骨折を起こさないためにも骨粗鬆症の治療をお勧め致します。