健康なんでも相談室

脳内に由来する症状

回答者:  鳥取県西部医師会員 魚谷 純

質問

 50才代。男性です。最近物を見ているときに光の波が真横に浮かび画面がつぶれたテレビのようになります。去年からたまにあり、脳ドックに行きましたが異常ありませんでした。目の病気を疑い、片目を閉じても変わりません。両目を閉じてもまぶたの裏で同じようにそれを感じます。どういった病気が考えらえるでしょうか?

 

 

回答

 閃輝暗点症では?

 

 恐らく、閃輝暗点症の一種ではないでしょうか。これは、脳の血管が収縮し、一時的に血流が変化するために起きると考えられています。典型的な例では、オーロラのような、あるいはノコギリの歯のような光が見え、若い人ではその後、片頭痛を伴うことがあります。50歳代以降では頭痛の合併は少ないと言われています。30分くらいで自然に軽快し、目の病気ではありません。 片目ずつ隠して、どちらか一方にしか見えない症状は、目に由来する症状ですが、両目でも、片目を隠しても、また目を閉じても同じように見える症状は、目ではなく脳内に由来する症状です。  脳ドックでは異常ないと言われたとのことですが、CTやMRIの画像診断だけでは分からないこともありますので、ご心配なら一度、眼科と脳神経内科のある総合病院で検査を受けられるようお勧めします。