健康なんでも相談室

脳の動脈硬化と言われて、頭のツンツンとガンガン

回答者:  鳥取県立中央病院神経内科部長 中安弘幸

質問

私は現在83歳ですが、9年前に前ぶれもなく突然頭がガンガン痛くなりました。近くの病院の神経内科で診察を受け、CTも取ってもらい、その結果脳に動脈硬化があるとのことでした。以来毎日薬を飲み、定期的にCT検査も受けています。困っていることは昼間はツンツンと音が少し聞こえるくらいなのですが、午前2時頃になりますと、頭がガンガンして寝られません。毎夜9時ごろには睡眠薬を服用しているのですが。何か良い薬または良いことはないでしょうか?

回答

突然の頭痛はくも膜下出血をはじめとするさまざまな脳の病気のことがあり、医療機関できちんと調べてもらわれたのは良かったと思います。その結果脳の動脈硬化と言われたとこのとですが、脳の動脈硬化は主として高血圧、糖尿病、高脂血症などが基盤にあり、脳の血管が細くなり、血の流れが悪くなります。脳の血の流れが悪くなると、頭痛(時には頭自体が鳴ると訴えられます)、めまい、ふらつき、舌もつれ、飲み込みにくい、歩きにくい、物忘れといったさまざまな症状が出てくることがあります。

これらの症状の治療として、限られた条件を満たす場合は、動脈の細くなっているところを外科的に広げてもらったり、あるいは血管同士をつないでバイパスを作ってもらった方が良い場合もありますが、その他の大部分の場合は脳の血液の流れを良くする薬を飲んでいただく内科治療が勧められます。ただ脳血流改善の薬は100%に有効ではなく、ご質問のようになかなか症状が改善しない場合もあります。耳鼻科でも異常がないかどうかを見てもらうことと、MRIで脳の血管の具合を見てもらうことも大切と思いますが、動脈硬化自体も高血圧、糖尿病、高脂血症などの管理をきちんと行ない、脳の動脈硬化のこれ以上の進展を防止することがとても大切なことですので、引き続き、かかりつけの医師に相談されることをお勧めします。