健康なんでも相談室

肺がん検診で要精査

回答者:  鳥取大学医学部附属病院胸部外科 中村廣繁

質問

肺がん検診で要精査

41歳女性。昨年受けたがん検診で肺に異常が見つかり、病院でCT検査を受けたところ、検診では左に異常があったのがCTでは右側に異常があると言われました。その後、組織検査をしたのですが、「はっきりしない」と言う診断でした。3カ月後にまたCT検査を受けるのですが、すっきりしません。組織検査をしても解らないのに写真だけで判断できるか不安です。

回答

経過観察は診断に重要

肺がん検診で肺がんと診断されるのは精密検査受診者の約50人に1人です。また、胸部X線による肺がん検診には限界があり、ご質問ようにCTで別の部位が肺がん疑いとなることもあります。この際の問題は淡いスリガラス陰影で、これは早期肺がんのこともあれば良性のこともありますが、たとえがんでもすぐに大きくなりません。肺がんは診断が難しく、特に早期の場合は経過観察で見極めることが推奨されます。経過観察は不要な手術を避けるためにも重要で、3ヵ月後のCTはガイドラインに準じています。大切なことは経過観察により増大や濃度上昇があれば、速やかに生検(せいけん)や手術を考慮することです。まずは今回の異常がスリガラス陰影であれば余計な不安はせずにきちんとCTで経過をみていただきましょう。