健康なんでも相談室

肩関節周囲炎-副題:肩関節の夜間痛と挙上困難-

回答者:  鳥取県中部医師会立三朝温泉病院長 大月健二

質問

62歳女性。今年2月頃より、右肩後ろや上に手が上げづらくなり、整形外科で五十肩と診断されました。注射はいやで、時々リハビリだけ通っています。昼間は仕事(農業)をしているので痛くないのですが、夜痛く目が覚めます。体操やウォーキングもしています。治るのには長く掛るでしょうか。

回答

五十肩と一般的にいわれている病気の整形外科学的診断名は、肩関節周囲炎と言い、明らかな原因を証明しにくい初老期の肩関節の疼痛と運動障害が起こる疾患です。あなたのように昼間の疼痛はそれほどでもないが、夜間睡眠時に痛みのために目が覚めるという患者さんが多い傾向にあり、上腕を肩以上に挙上する困難を伴います。

この疾患の治療には、専門医による週1回の関節内注射(局麻剤+ステロイド剤、またはヒアルロン酸剤)という注射療法は非常に効果があり治療の短期化に有効ですので、嫌がらず受けられることをお勧めします。その上、現在受けておられるリハビリテーション治療を根気よく続け、自宅でも1日2回程度の肩関節振り子運動(痛みの出ない程度)を行い、適切な消炎鎮痛剤(投薬、座薬、湿布等)を併用し、夜間睡眠時は肩の保温や肢位(腋の下に枕を入れて上腕を外転位に保持)に注意すればおそらく数ヶ月くらいで症状は寛解すると思われます。