健康なんでも相談室

肩の痛み

回答者:  鳥取県東部医師会員 村田雅明

質問

80歳の女性。2年前頃から左の腕が痛くなりました。診てもらった当時は50肩と言われました。夜になると毎晩のようにずきずきと痛み、病院から貰ったモーラステープを貼って寝ています。朝起きる頃になると夜の痛みも嘘のように楽になっています。2年以上も続くのですが、どうしたらよいですか。

回答

運動療法と温熱療法が効果的

腕が痛くなる疾患としては、肩関節周囲炎(いわゆる五十肩)以外には頚椎症性神経根症(頚椎からくる神経痛)、上腕骨外上顆炎などの腱鞘炎、また一応頭においておかなければならない疾患として悪性腫瘍、あるいは悪性腫瘍の骨転移があります。頚椎症性神経根症は特定の動作や姿勢で痛みが走ります。腱鞘炎も特定の動作により痛みが出ます。夜間の痛みというのは肩関節周囲炎の特徴ですので、お話を伺う限りでは診断は肩関節周囲炎でよいと思います。悪性腫瘍に関しても、2年以上症状が変わらず、湿布で痛みが取れることなどを考えると、可能性は低いと思います。また痛みが長期間続いていますので、肩関節周囲炎のなかでも腱板断裂(いわゆる肩のスジが切れた状態)などの可能性もあり、MRIによる精密検査を受けられたほうがよいかもしれません。

治療は、一般的に内服薬、外用薬、運動療法などが挙げられます。特に運動療法は重要で、動かさなければ関節が固まってしまいます。また温めることも非常に効果的です。したがって寝る前などにホットパック(薬局で手に入ります)などで温めてから、ストレッチ体操などをする、それに内服薬、外用薬などをうまく組み合わせていかれたらよいのではないでしょうか。