健康なんでも相談室

肝炎のかたは定期検査を

回答者:  鳥取県東部医師会員 満田朱理

質問

40歳代男性。20数年前にB型肝炎の疑いと言われ、精密検査の結果、HBs抗原陽性、HBs抗体陰性、HBe抗原陰性、HBe抗体陽性、肝機能検査は正常との事で安心していました。最近、血液検査で再度B型肝炎の疑いと言われました。長い期間が経ってから抗原・抗体の陽性・陰性が変わることがありますか。

回答

経過中に悪化することも

HBs抗原陽性とは、肝臓の中でB型肝炎ウイルスが持続感染している状態です。その中でキャリアの状態と、活動性のある慢性肝炎の状態とにおおまかに分かれます。その活動性を判断するウイルスマーカーとしてHBe抗原とHBe抗体があります。経過中に前者が陰性化し、後者が陽性となる状態のことをセロコンバージョンといいます。この状態では活動性が低下し、肝炎が静まります。HBe抗原が再度陽性になることはほとんどありませんが、セロコンバージョン後も肝炎が悪化することがあります。

よって血液検査と超音波検査等による肝臓の定期検査が必要です。抗ガン剤、免疫抑制剤などの投与時はキャリアの状態から肝炎を発症することもありますので、何かで病院へかかった時には主治医の先生にB型肝炎ウイルスを持っていることを最初に伝えておきましょう。