健康なんでも相談室

老人性皮膚そう痒症-乾皮症のスキンケア

回答者:  西部医師会員 石原政彦

質問

88歳の男性です。10年程前より体が痒くなり、年々悪化しています。特に夜中に痒くて寝苦しい日が続いています。風呂では石鹸も使用していません。何かよい方法を教えて下さい。

回答

そう痒のみの場合には老人性皮膚そう痒症と診断しますが、その多くは皮膚の乾燥肌から生じます。皮膚の表面は角質層で被われ、さらに最外層には汗腺や脂腺から分泌される皮脂膜が存在し、角質内の水分の貯留をはかり(保湿)、蒸発を防いでいます。この皮脂膜は年齢とともに薄くなり、保湿能の低下や水分の蒸発などにより乾燥肌となります。

日常生活では以下の点に注意して下さい。肌着は刺激の少ない綿製品を選び、らくだの股引など細かい繊維がちくちく刺激するものは避けましょう。洗濯時の漂白剤や柔軟仕上げは、衣服に残って痒みの原因になることがあります。また洗剤が衣服に残留するとかぶれの原因となるので洗濯時のすすぎは十分に行って下さい。入浴の際、お湯かげんはやや温めがよく、乾燥肌の部位には固形石鹸やボディソープをむやみに使わないようにし、用いる時はよく泡立て、なでるようにつけ、擦らずに洗い流して下さい。部屋の乾燥を防ぐため、加湿器や観葉植物などを置くのもよいことです。保湿剤を用いた皮膚のスキンケアも大切です。かさかさしたところには、何度でもよいですのでたっぷり塗りましょう。