健康なんでも相談室

続くのどの違和感-ストレスなどで発症も

回答者:  西部医師会員 中尾圭介

質問

75歳女性。4か月前からのどに何か異物が貼り付いたような感じが持続。気疲れと体調不良のため、1か月後に大病院の耳鼻咽喉科でのどのX線写真・内視鏡検査・甲状腺(こうじょうせん)や頸部(けいぶ)の超音波検査を受けた結果、特に異常なく癌の心配もないと言われましたが、症状が一向に良くならず心配です。

回答

この方の病気は「咽喉頭異常感症」(いんこうとういじょうかんしょう)と思われます。お受けになった耳鼻咽喉科での診察・検査の結果、違和感・異物感を説明できる病変・病態が見当たらないにも拘らず、症状が持続する疾患です。女性に多いとされますが、男性でも稀でなく、発症のきっかけとしては、対人関係や転・退職、転居による精神的ストレス、健康感の喪失、癌に対する恐怖心等があるようです。説明を聞いただけで楽になる患者さんもありますが、症状が持続する場合は、漢方薬の半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)や柴朴湯(さいぼくとう)等の処方を試みることがあります。重症の時は心療内科・精神科と協力して治療を要する場合もあります。この方の場合、初診時に診察医に発症の契機について充分聞いてもらえず、症状が続くなら1か月後に再来するようにとだけ言われたことにご不安があったようです。折をみてもう一度よく話を聞いてみられたら得心されるのではないでしょうか。