健康なんでも相談室

納豆やクロレラ-薬の血栓予防効果弱める

回答者:  鳥取県医師会理事 吉田眞人

質問

ワーファリンという薬を飲んでいると、「納豆」や「クロレラ」を食べないよう注意されましたが、なぜでしょうか。

回答

ワーファリンは、肝臓内でのビタミンKの働きを抑える薬です。ビタミンKは、肝臓内で血液凝固因子を作り活性化されるのを手助けしますが、ワーファリンがこの働きを抑えて、血液を固まりにくくし、血栓予防に役立ちます。診療では、深部靜脈血栓・心房細動・心筋梗塞等の原因で生じる脳塞栓・肺塞栓の二次予防や、人口弁置換術後の血栓予防に使用されており、薬が効きすぎると出血し易く、効果が弱すぎると血栓ができやすくなります。

納豆やクロレラにはビタミンKが大量に含まれ、さらに納豆菌が腸内で合成されるビタミンKを吸収する為、ワーファリンの効果が極端に弱められます。薬の効果をきちんと保つ為には、①薬を1日一回忘れずきちんと飲む、②納豆・クロレラは摂食禁止、③暴飲暴食を避けバランスよく食事をとる、④緑黄色野菜はビタミンKが多いので過剰摂取を避ける、等に気を付けて下さい。

ワーファリンの効果は個人差が大きく、同じ人でも最適量が変動し易いので、出血や血栓事故を防ぐ為、少なくとも月一回診察を受け、プロトロンビン時間(PT-INR)を測定して下さい。私は、PT-INRの目標値を1.5~2.5位としています。出血傾向を感じたらすぐ主治医に相談して下さい。