健康なんでも相談室

糖尿病運動療法

回答者:  西部医師会員 本田 守

質問

50代男性。糖尿病を指摘されました。食事療法と薬物療法はしっかりと説明を受けましたが、運動療法がはっきり解りません。どのような運動をすれば良いのでしょうか。

回答

糖尿病の運動療法は大変重要ですが、最近過度の運動でむしろ病気を悪化させる方がちょくちょくおられます。糖尿病の3大合併症(腎症、網膜症、神経障害)のある方や、心臓病、高血圧、等を併発されている方は、主治医とよく相談してください。

運動療法の最大の効果は、血糖値を下げることにあります。その他、体重減少、心肺機能強化、ストレス解消などがあります。推奨される運動は有酸素運動です。速歩やジョギング、サイクリング、水泳等です。運動の強さは、運動しながら会話ができる程度です。ゆっくりした散歩はあまり効果はありません。脈拍が一つの目安になります。1分間に100~(180―年齢)が理想です。(この方だと100~130になります。)運動時間は15分以上必要です。15分経つと体のエネルギー消費が血糖中心から、脂肪消費に変わるとされています。脂肪を燃焼させることにより、インスリンの感受性を亢進させ肥満の解消に役立ちます。

運動は週3回以上、1回100Kcal以上を目標にしてください。体重60Kgの人なら、速歩約30分、ジョギング約15分、自転車約20分、ゴルフ約20分となります。