健康なんでも相談室

糖尿病患者に起きた手のしびれ

回答者:  東部医師会員 北室文昭

質問

61歳の女性、7年前職場検診で糖尿病と診断され、それ以来月1回診察を受けています。毎日3kmの散歩を欠かさず、血糖値は空腹時150以下の値です。

6ヶ月くらい前から左手の小指、薬指の指先がぴりぴりするようになり、現在では左手全体がざらざらした感じになっています。糖尿病の合併症によるものでどうすることも出来ないといわれました。

ある方のすすめで別の医師の診察を受け、首の頸椎の変形による神経障害だと診断されてリハビリを受けていますが、さらに右手にも同じ症状が出てきた状態で、やがて体全体しびれてしまうのではと心配です。糖尿病の合併症がこれ以上進まないようにできないものでしょうか。

回答

糖尿病になって血糖の高い状態が続きますと、眼や腎臓のほかに神経も障害を受け、痛みやしびれ、異常感覚などが起きてきますが、糖尿病による神経障害ではまず足から症状が起きてきます。手から始まるということはまずありません。あなたの病気の起き方からいって糖尿病性神経障害ではなく、むしろ頸椎の障害によるという方があたっているように思います。では糖尿病がまったく関係していないかというと、そうともいえなくて糖尿病の患者さんでは頸椎や腰椎の変形が起きやすいともいわれています。

ですからもうしばらく現在の頸椎の治療をお続けになってみてください。でももし病状がよくならないで進行するようでしたら一度神経内科の医師に診てもらったらどうでしょうか。

糖尿病の治療をきちんと続けることが大切なのはもちろんです。