健康なんでも相談室

糖尿病予備軍の対処法

回答者:  鳥取県医師会副会長 富長将人

質問

糖尿病予備軍の対処法

45歳男性。以前、何回か健診で血糖値が高いと言われ、内科を受診しましたが、その都度「糖尿病予備軍」と診断されていました。結局、何のアドバイスも投薬もなく、その後放置しています。糖尿病予備軍の糖尿病になる確率はどれ位でしょうか。また、このまま食事に気をつけるだけで放置してもよいのでしょうか。

回答

食事療法と定期検査を

糖尿病予備軍とは、血糖値が、明らかに糖尿病と言える程には高くはないが、正常ではない、いわば、糖尿病と正常者の中間の状態をいいます。糖尿病に移行する確率は、年間5~6%と言われていますが、肥満があるか否か、また、親・兄弟等(家族歴)に糖尿病があるか否か、で異なります。肥満や糖尿病の家族歴が有れば糖尿病に移行する頻度は高くなります。したがって、糖尿病の家族歴が有って肥満が有れば、かなり高率に糖尿病に移行する為、特に厳重な食事療法が必要です。肥満も糖尿病の家族歴もない場合は、糖尿病に移行する確率は低く、食事療法もそれ程厳重でなくてもよいと考えますが、定期的検査は必要です。

また、予備軍は境界型とも言いますが、この場合でも動脈硬化は進展し易い為、高血圧や高コレステロール血症等の危険因子があれば、これを厳重に管理する必要があります。

お尋ねの方の場合、血糖に関しては薬剤は必要なく、食事療法と運動療法を実施して、肥満があれば標準体重に近づけるように努め、そして、3~6ヶ月毎に受診して血糖、HbA1c、コレステロール値、血圧、等を検査していくことが必要です。