健康なんでも相談室

突然の痛み、痛風発作-高尿酸は動脈硬化の原因-

回答者:  鳥取県医師会理事 吉田眞人

質問

50才男性です。突然足の親指が腫れ、痛みが数日続きました。痛風発作といわれたのですが、何故こんな事になったのか教えてください。

回答

この病気は、血液中の「尿酸」という物質が増えて、関節に炎症を起こして風が吹き付けても痛む程激しい痛みが生じるので、この病名がついています。この病気は約95%は男性に起こる病気です。健診では高尿酸血症は成人男性の10%位にあり、いつ痛風発作を生じてもおかしくない゛痛風予備群〝が日本に500万人もいるといわれています。尿酸値の正常値は、4~6mg/dℓで7mg/dℓをこえると、高尿酸血症です。そして、8mg/dℓ以上が長く続くと血液に溶けきれない尿酸が結晶となり、関節に溜まり、何らかの刺激でこの結晶が剥がれ落ち、そこに白血球が集まって炎症を生じ関節が腫れて痛みを生じます。これが痛風発作です。但し、発作を生じた人でも尿酸値がそれほど高くない場合も時に見られます。これは不節制(飲酒、ストレス)等で短時間に数値が大きく変化したときと考えられます。

又、発作を生じなくても、放置すると動脈硬化をすすめたり「痛風腎」と言って尿酸結晶が腎臓にも沈着して尿路結石を生じたり、時間がたてば腎不全になり透析の原因になります。従って、高尿酸血症の方、とくに一度でも痛風発作を経験した方は、他の生活習慣病と同様にきちんと治療を続けてください。