24歳女性。半年前に突然動悸と息苦しさがあり、近くの内科に受診しました。心電図や血液の検査なども受けましたが特に異常はなく、以後時折、動悸、息苦しさがおこるようになり、心配で外に出るのが怖くなりました。どうしたらよいでしょうか?
パニック障害の可能性
内科などで身体的な異常が認められないのに動悸や呼吸困難などが発作的にみられる時にはパニック障害を考える必要があります。
パニック障害の原因は脳の扁桃体という場所で、セロトニンなどの神経伝達物質の異常が起こっていると考えられています。
扁桃体は不安や恐怖などを調節する場所で、セロトニンは不安や恐怖などを抑える働きがありますが、異常が起こっていると、不安、恐怖感とともに自律神経症状である動悸、過呼吸、発汗などが起こります。森の中で熊に遭遇したらこのような症状になるでしょうが、パニック発作の場合には熊に遭ってもいないのに症状が起こります。
相談者は症状が度々起こるようにもなり、「また起こるのではないか」という予期不安とともに特定の場所を発作と関連づけて避けるような広場恐怖をお持ちの可能性があります。
治療としては選択的セロトニン再取り込み阻害薬と呼ばれる抗うつ薬の一種や、抗不安薬を使用することで改善がみられます。精神療法では認知行動療法が一定の効果をもたらすことが知られています。
早目に心療内科、精神科を受診することをお勧めします。