健康なんでも相談室

睡眠薬の継続使用について

回答者:  鳥取県西部医師会員 廣江ゆう

質問

 50歳男性です。精神的に疲れ、睡眠薬を数年前から服用していますが、服用しても寝つけない日があり、量を増やすこともあります。飲み続けていて身体に害はないのでしょうか。

 

 

回答

 非薬物療法の併用も必要

 

 不眠症はその原因や特徴によって治療の方法が異なります。御質問のように精神的な疲れが原因の場合、うつ病の影響なども考えます。原因がある場合はまずその治療を行うことが重要となります。一般的な不眠症の場合は、不眠のタイプが入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒、熟眠困難のいずれかによって使用する睡眠薬が異なります。また治療は薬物療法だけでなく、睡眠環境の調整なども重要です。睡眠薬にも副作用(眠気、ふらつき、精神運動機能の低下、健忘、頭痛、消化器症状など)はあります。服用を中止することで改善するものが殆どですが、常に医師の指示通りの服用方法と量を守って頂く必要があります。御質問のように現在の投与量で効果がないときは、非薬物療法の併用なども必要と思われます。漫然と長期に服用を継続することはお勧めできませんので、定型的な薬物療療法によっても不眠が改善されない場合には、再診断やその後の治療療計画について専門医の受診をお勧めします。