健康なんでも相談室

目の異常、ぶどう膜炎-全身検査し原因を特定

回答者:  鳥取県医師会常任理事 神鳥高世

質問

28歳女性です。最近、両目が充血してまぶしく、痛みもありかすむため眼科医院を受診したところ、『ぶどう膜炎』と診断されました。その医院では、体を詳しく調べないといけないと言われ、心配しています。ぶどう膜炎とは、どんな病気でしょうか?

回答

ぶどう膜とは、眼球の中にある茶色い組織(虹彩;こうさい、毛様体;もうようたい、脈絡膜;みゃくらくまく)の総称です。眼球の内部はこのぶどう膜により暗箱となり、瞳孔を通った映像がきれいに眼の底の膜(網膜)に投影される仕組みになっています。ぶどう膜には血管が豊富なため炎症を起こしやすく、その原因は外傷や手術などの外因によるものから、体の中の炎症反応(免疫反応)の一部として出る内因によるものまで多種多様です。ぶどう膜炎は病気の起こっている場所により4つに分類されますが、特にぶどう膜全体に炎症が及んでいる『汎(はん)ぶどう膜炎』の原因の中には、ベーチェット病・サルコイドーシス・原田病という3大疾患があります。

一般的にはぶどう膜炎の診断をした場合、その原因を特定するために胸部レントゲン検査や血液検査などを行いますが、原因の特定はその治療方針を決めたり、予後を推測する上でも必要になる場合があります。