健康なんでも相談室

病的ギャンブリング

回答者:  鳥取県東部医師会員 山下陽三

質問

40代女性。夫は真面目で内気な性格。結婚以来、パチンコ通いが続き、ここ数年は金融業者への借金返済のため、親からの援助が一千万円を超えました。子どもが二人あり、一人は高校受験を控え大変ですが、進路の相談にも一向に無頓着です。周囲から別れた方がいいと忠告されても決心がつかず、将来が不安です。

回答

問題を本人に返すこと

夫はパチンコに熱中し、生活のほとんどがパチンコすることに占められており「病的ギャンブリング」と診断できます。これは、娯楽や嗜好の問題ではなく、依存症(アディクション)という病気で、本人の道徳心の欠陥や意志の弱さでもありません。一般に日本で合法的に行われているギャンブルには、パチンコやスロット、競輪、競馬、競艇などがあります。有病率は地域により差がありますが、成人の0.4~7.0%で、男女比は男性が女性の10~20倍という報告があります。県の精神保健福祉センターへの相談や、自助グループのGA(ギャンブラーズ・アノニマス)とかギャマノン(GAの家族グループ)で回復に取り組むことができます。借金の返済をしていてはますますひどくなるため、病気から立ち直るための行動を起こし、問題を本人に返していきましょう。