健康なんでも相談室

生活習慣病の運動療法-ウォーキングとダンベル体操を組み合わせる-

回答者:  東部医師会員 松浦喜房

質問

45歳の男性。身長170cm、体重73kg。最近お腹の周りが太くなり、健康診断で血圧は138/88ですが、中性脂肪が高く、HDLコレステロールは正常下限、血糖値の値は正常上限でした。運動するようにと言われました。最近ほとんど運動していませんが、どのような運動が適当でしょうか?

回答

個々の検査値での異常は軽度でも、それらの複合により動脈硬化が生じやすくなります。これには内臓への脂肪蓄積を主とする肥満と、血糖値をコントロールするインスリンが作用しなくなる状態が背景となっています。運動には血圧を下げる効果があり、身体活動により肥満が解消され、脂質が正常化し、インスリンの働きも改善されて、動脈硬化性の病気を予防することができます。もちろん運動は食事の適正化等、生活習慣改善の一環としておこなわれるべきです。

薦められる運動として最大酸素摂取量の半分程度を要する(「楽である」と「ややきつい」の中間くらい、脈拍は中年の方で毎分110台)有酸素運動が挙げられます。これには動的な等張運動、すなわち早歩き、ランニング、サイクリング、水中歩行等がありますが、最も手軽なのは、早歩きだと思われます。できれば1回30分以上、週3回以上を目標に始めましょう。また筋肉を維持することによって骨粗鬆症や有酸素運動能力の低下を防止することができますので、ダンベル等を用いたレジスタンス運動の併用も重要です。運動が良いということに年齢は特に関係ありませんが、心血管、腎臓や関節等の合併症がないかどうか、医師のチェックを受けて下さい。

時間は食後1~2時間が最適です。適当な服装や靴を用意し、準備運動をし、水分補給を十分に行いながら歩きましょう。ダンベルも負荷を軽くしてゆっくり呼吸しながら行うことが大切です。何事も継続することは容易ではありませんが、健康維持のために大切であるということを思い出して下さい。鳥取市ではウォーキングマップが作成されています。これらを利用して、景色を楽しみながら健康づくりをしてはいかがでしょうか。