片側顔面けいれん
５０歳代女性。数か月前より左の目と唇がぴくぴくします。目を開けているのが辛く、話し難いこともあります。寝ている時も症状があります。このまま様子を見てもよいか、専門の科を受診した方が良いか教えて下さい。
神経内科などの受診を
顔の片側の目の周囲と口がぴくぴくし、日常生活にも支障があるようです。片側顔面けいれんを疑います。このけいれんは自分の意思に関係なく出現し、目の周囲から頬、口、顎まで広がり、また、症状の持続も長くなります。生命に関わる病気ではありません。顔の表情筋を動かす顔面神経が、脳幹部から出た所で血管に圧迫されることが原因です。非常に稀ですが、動脈瘤や脳腫瘍が原因のこともあり、頭部MRIなどの検査が必要です。専門の科である神経内科、脳神経外科の受診をすすめます。症状が似た病気に、両側の瞼の眼瞼けいれんと、顔面神経麻痺後の異常共同運動があります。
軽い症状には少し有効な飲み薬があります。中等度以上では、神経を麻痺させるボツリヌス毒素を注射するボツリヌス療法があり、１回の注射で３～４カ月間症状が緩和されます。神経減圧術という手術療法は９０％近くの有効性がありまので、脳神経外科の先生とよく相談して下さい。