健康なんでも相談室

爪は何でも知っている

回答者:  中部医師会員 伊藤文利

質問

76歳 女性。一昨年夏より足の親指の爪が変形し困っています。他のの指は爪に縦のすじが入り反っています。手の指に変化はありません。牛乳も飲み、菜食を主とし、血圧は正常、変形性脊椎症で腰にコルセットを10年位しており、若い時から片頭痛の薬ものんでいます。爪のよくなる薬や食べ物について教えてください。

回答

爪は体調を示す窓であると共にその人の年令、職業、過去の生きざま等を物語る貴重なデータです。爪は毛髪と同じく皮膚の一部で、生命ある限り目に見えないが毎日成長し続けます。が、加齢により皮膚に「しわ」、毛髪に「白髪」が目立つように爪にも間違い無く「もろくなる」「縦のすじ」「しみ」等の多彩な老化徴候が来るものです。又、全身状態(栄養、貧血、病気、薬剤内服など)、職業(農業、美容、洗剤使用など)、局所と全身性皮膚病、遺伝など様々な要因で爪病変が発生します。貴女の場合、足の拇趾爪のみに変形.肥厚を来し、他の趾爪には「縦しわ」とか「そりかえり」がみられるが手の爪はすべて正常との事ですね。何故そうなったか、何か治療法はないのかと言うご質問にお答えします。

・76歳と言う年令、それに連動した全身病.貧血.薬剤内服.栄養障害等の影響を受け爪に病的変化が生じた。

・拇趾爪病変は若い頃から狭い靴を履く習慣の為、患部は特に圧迫され、それが原因で変化したのでしょう。又、農作業時に地下足袋着用.爪に土が入る事などがあれば爪は更に痛みやすいものです。

・若い頃のような爪に戻す事は期待出来ない。これ以上悪化させない為には、大きく広めの靴を履き爪に負担をかけないようにしましょう。

・貴女の食事摂取は理想的です。たっぷりの牛乳、主として魚と野菜食は爪の成長のみならず体調保持に申し分ありません。

・爪の事はあまり心配されずに暮らして下さい。