健康なんでも相談室

熱性けいれんを起こしたら

回答者:  西部医師会員 中井挙子

質問

1才半の男の子を持つ母親です。この間、39℃の熱がでて、急にけいれんを起こしました。舌を咬みそうな気がしてガーゼを巻いた割り箸を咬ませ、すぐに救急車をよんで病院に運んでもらいましたが、そこのお医者さんに口の中に何も押し込んではいけないと言われました。こんなとき、ただ子どもの様子をみてればよいのですか。どうすればいいのか教えてください。

回答

熱性けいれんは子どもの7~8%にみられ、遺伝する傾向があります。つまり、お父さんやお母さん、兄弟が熱性けいれんを起こしたことがあると起こしやすいのです。

初めてけいれんをみたら、何をしたらよいか分からずついついあわててしまいます。

けいれんがおきたら、①まず、あわてないでください。けいれんが起こっても、まずお父さん、お母さんが落ち着いてください。命にかかわることはまずありません。②子どもを一人にしないで、安全を図りましょう。まわりにピンや、ポットなどがあったら遠ざけてください。③衣服を緩めて身体を楽にさせ、吐いたものを誤飲しないように身体を少し横向きにして静かに寝かせてあげましょう。④できるだけ安静にしてください。どうしたの?どうしたの?と身体を揺すったりせず、できるだけ刺激を与えないように静かにしてください。⑤口の中に割りばしなどを咬ませるのはかえって危険です。昔は舌を咬むかもしれないとスプーンやガーゼを巻いた割り箸などを咬ませる風習があったようですが、舌を咬むことはありませんので、何も挟まないでください。⑥けいれんの状態をできるだけ観察してください。多くのけいれんは3分以内でおさまります。5分以上けいれんがおさまらないようだったり、顔色が紫色になってきて意識がもどらないときには救急車を手配してください。