健康なんでも相談室

火傷後のケロイド治療法は?

回答者:  鳥取赤十字病院皮膚科 西浦清一

質問

子供の肩から肘にかけての火傷の痕がケロイドになりました。今は盛り上がっていても柔らかいのですが、今後硬くなってくるのではないかと心配しています。今できる治療法があれば教えてください。

回答

ケロイドは「ケロイド体質」のひとにおこりやすく、また、前胸部、肩や上背部などに好発します。手紙の内容からみて、ケロイドによる運動障害はないと思われますので、今できる治療法は薬物療法、物理的療法になると思います。

薬物療法には、内服療法とステロイドの注射・外用療法があります。内服薬としては抗アレルギー剤でもある「トラニラスト」が唯一の治療薬として認められています。効果の発現までに4週間以上要するといわれます。また効果を持続するため3ヶ月以上服用しないといけません。注射と外用療法には主にステロイドを使用します。注射治療は強い痛みをともないます。外用薬には軟膏、クリームおよびテープ剤があります。外用治療では痛みはありませんが、ケロイドは薬剤の吸収が悪いのですぐには効果が現れません。テープ剤は患部を密封するので軟膏やクリームを単純塗布する場合よりも薬剤の吸収がよくなります。ただしステロイドの外用が長期間になるとケロイド周囲の皮膚萎縮などの副作用がおこることがあるので、医師の診察を受けながら治療してください。

物理的療法は、タオル、ガーゼ、スポンジなどを患部に当て、その上をテープ、弾力包帯、サポーターなどで圧迫する治療法です。根気強く続けると瘢痕が平坦になるなどかなりの効果がみられます。

ケロイドは長期の治療が必要ですので,まず医師とよく相談してください。