健康なんでも相談室

潰瘍のピロリ菌除菌-胃癌予防のためにもぜひ

回答者:  西部医師会員 飛田義信

質問

48歳、男性。ピロリ菌の除菌についてお伺いします。5年前に胃潰瘍で除菌治療を受けたのですが失敗。追加の除菌は可能ですか。又、除菌後に胃が変形すると聞きましたが本当でしょうか。

回答

医療保険でヘリコバクター・ピロリ菌(以下、H.P菌)の除菌治療を受ける場合、胃潰瘍又は十二指腸潰瘍と診断され且つH.P菌感染が確認されていることが前提となります。受診医療機関において医療保険上これらのことが成立していれば、2回目の除菌(2次除菌)を希望する旨を申し出れば治療を受けることが可能です。除菌治療は2種類の抗菌剤と1種類の酸分泌抑制剤を併用して行います。2次除菌については、初回除菌薬剤の組み合わせとは別の抗菌剤での治療(昨年8月から承認)を選択することにより約9割の患者さんで除菌が可能になりました。

尚、除菌後に「胃が変形する」という報告はありません。除菌による副作用としては、稀ですが胸焼け症状を来たす逆流性食道炎等です。除菌によって生じるこれらの問題より、除菌によってもたらされる再発を繰り返す潰瘍症からの離脱や胃癌発生の予防効果を得ることの方が重要と考えます。H.P菌感染は発癌因子です。是非、H.P菌の除菌達成にチャレンジして下さい。