健康なんでも相談室

治らぬ喉(のど)のつまりと不快感-姿勢を正されることがまず必要-

回答者:  中部医師会員 西田龍之介

質問

73歳 女性。昨年7月頃より喉(のど)の不快感、つまり、白っぽい粘液分泌あり、耳鼻科、内科に受診し、胸部X線、気管支鏡、痰やアレルギーの検査を受けましたが、いずれも異常なしでした。タリオン、ムコダイン、アストミン、アクディームなど服用しますが一向によくならず困っています。別に高血圧と逆流性食道炎の薬を現在のんでいます。どうしたらいいでしょうか。

回答

喉(のど)のつまり、不快感は人間が疲れたときなど、若い人にもよくみられる症状です。白っぽい粘液の分泌を気にしておられますが、これは病的とは考えられません。空気中には目に見えない沢山のほこりの類があり、呼吸の時それらが肺に入らぬよう、気道のうぶ毛がこれを引っかけ、根っこからの粘い分泌物でからめて痰として喀出します。自然に備わった守りの機構です。逆に喉がひからびて粘液も出なくなったら大変です。

あなたは73歳になられ、高血圧や逆流性食道炎の薬ものんでおられます。血管も硬くなって気管や食道を押さえます。姿勢も前屈みになり、背骨も知らぬ間に左右に彎曲し気管や食道もそれに沿って曲がり内腔もせまくなります。そのため若い日になかった不快感やつまりがどの人にも来るのです。いろいろ精密検査を受けられて異常なく、あれこれいい薬をのまれても効かないということは、言うなれば薬の効く相手がいない、空振りなのです。病気があれば薬は効くはずです。日頃座椅子を使って背筋を伸ばし、顎を引き、首すじも伸ばして下さい。いつもきまった方向に脚を投げ出したり、寝そべってテレビを見たりされず、気管や食道を真っ直ぐにしてやる姿勢を心がけて下さい。高血圧や逆流性食道炎の薬は続けて下さい。生涯あなたと一緒に歩んできた体のひとつひとつを労わってやることが大切です。