健康なんでも相談室

時々目に光るものが~網膜の「光視症」検査が必要~

回答者:  鳥取市立病院眼科 藤田亜希子

質問

52歳女性です。最近、時々右目の端の方で光が見えるような感じがします。先日、健康診断を受けたとき、眼圧検査もありましたが、「異常なし」でした。何か目の病気がありはしないかと心配しています。

回答

眼球の内側には透明なゼリーのようなものがたくさん詰まっており、これを硝子体(しょうしたい)といいます。硝子体は若いうちは眼球内にしっかり充満して眼球の底にある網膜(光を感じ取る神経の膜)に接していますが、加齢とともに次第に液化して縮んできます。そして、網膜から硝子体が前方に離れてしまう現象が起こります。この現象が時に網膜に影響を及ぼすことがあります。すなわち網膜と硝子体が比較的強くくっついている部分では、硝子体が網膜から簡単に外れることができず、逆に網膜を牽引してしまうのです。網膜が牽引されると稲妻のような光を自覚し、これを光視症といいます。ご相談の「光が見えるような感じ」はこの光視症であると思われます。

網膜の牽引により、まれに網膜に穴があき、網膜剥離が起こることもあり、この場合は手術が必要となります。「健診では異常なし」ということですが、健診では一部の状態しかわかりませんので、光視症がある場合には、瞳孔を開く目薬を使った検査(散瞳検査)が必要です。

散瞳検査は準備に1時間くらいかかります。また、検査後は薬の効果が切れるまで4~5時間かかり、その間は見えづらくなりますので車の運転などは危険です。これらのことに注意して眼科受診をしてください。