17歳の男性、日本脳炎の予防接種をしたことがありません。今になって日本脳炎が心配になってきました。今この時期の接種は安全・有効なのでしょうか。
日本脳炎は、その原因である日本脳炎ウイルスが豚の体内でいったん増殖し、その豚を吸血した蚊に人が刺されて感染します。熱帯アジアの国々を中心に年間３～４万人の日本脳炎患者の報告がありますが、近年日本では豚飼育等の衛生管理が進み、年間の患者数は毎年１０人以下です。しかし、現在も治療法はなく、感染すると重篤な急性脳炎をおこし、死亡率約15％で生存者の45～70％は神経の後遺症を残します。年齢にかかわらず日本脳炎ワクチンで予防可能です。今年6月2日より理論上副反応がより少ないとされる新ワクチンが接種できるようになりました。日本でも日本脳炎ウイルスを持った蚊は発生しており、病原体がある限り感染の機会は無くなっていません。17歳では公費での接種はできず、自費での接種となりますのでかかりつけ医の先生と相談して下さい。接種しない場合は蚊に刺されないように注意して下さい。