健康なんでも相談室

放っておいてもよい?胃のポリープ―心配なら内視鏡検査も

回答者:  鳥取県医師会副会長 岡本公男

質問

57歳、女性です。昨年秋、胃がん検診(胃X線検査)を受けましたところ、部位―A.胃体部、所見―C.ポリープ様、判定―2.精検不要(診断名 胃ポリープ)との結果でした。レントゲン写真を見ると小さいポリープが1つありましたが、先生は「100%心配ない」と言われました。

友人に相談したところ、今は、ファイバースコープとかで簡単にポリープが取れると聞きました。私が検診を受けた病院では胃内視鏡検査は出来ません。(胃カメラはありません)

このまま1年間(来年の検診まで)放っておいてよいものでしょうか?

回答

まず、胃がん検診のしくみからお話しいたしましょう。

 検査の方法といたしましては一次検診としてX線検査と内視鏡検査があります。住民の方の希望でいずれでも選ぶことができます。検診の場所としては車検診(集団検診)医療機関検診(個別検診)があり、後者では前述の内視鏡検診も全国にさきがけて施行しております。米子市の検診では医療機関での個別検診を受けられたのかと思います。

鳥取県では県民の皆さんに精度の良好な検診を提供するため、鳥取県、鳥取大学医学部、鳥取県医師会の三者で鳥取県健康対策協議会を昭和46年に立ち上げ各種の検診の進め方や精度の管理をしております。西部の方ですと、個人の医院でX線検査での上部消化管検査(胃透視)を受けられますと、医師は受診された方に丁寧に写真の説明をいたします。その後、西部医師会内で開催される必ず専門家が複数で写真を診(み)る胃がん検診読影委員会に持って出ます。

胃の隆起性の病気はポリープが群を抜いて一番多いのですが貴女がご心配なさっている悪性の病気もあります。しかし必ずダブルチェックが入っておりますので心配ないものと思います。従って、定期検査でよろしいでしょう。

同じ消化管のポリープでも、大腸の隆起性の病変は小さなものでも医師が悪性の疑いが少しでもあれば内視鏡下にポリープ切除術を施行することが多いようですが、胃の小さなポリープはX線写真でもかなりはっきり診断できますし、悪性であったり、出血したり、直径2cm以上あったりしないかぎり余り内視鏡切除はしません。そうは申しましても、初めてチェックされてどうしてもご心配でしたら内視鏡検査をお受けになりご安心なさることを勧めます。