健康なんでも相談室

手足がしびれる-どの範囲がしびれるかがポイント-

回答者:  鳥取市立病院 森下嗣威

質問

84歳 女性です。数年前から手足のしびれがあります。特に足の裏の感覚は鈍く、歩きづらいので外出時は杖を使用しています。しびれは先に行くほど強く、時には感覚がない時もあります。特に生活する上で困っているわけではありませんが、老人だからとあきらめていいものでしょうか。

回答

しびれは痛みに次いでいやな感覚ですね。しびれには大きく分けて神経が障害されたときのしびれと、血管が障害されたときのしびれがあります。今回は神経の場合をお話します。

しびれの神経(知覚神経といいます)は手足の末梢から末梢神経として始まって、せぼねの脊髄を通って頭の脳まで行きます。その悪い場所によってしびれる範囲が異なり、さらにからだを動かす神経(運動神経)やその他の神経の情報を総合してどこが悪いのかを診断していきます。ですから、しびれに関してはどこがしびれるかが大切な情報です。

今回のご相談は、手足がしびれ、さらに末梢ほどしびれが強いようです。このようなしびれ方を手袋靴下型感覚障害といって、からだ全体の末梢神経がいたんできている時の特長的な症状です。原因はビタミン不足など栄養の偏り、中毒、糖尿病など多岐に渡ります。今、治療している病気は何か、どんな薬を飲んでいるか、食生活はどうかなどあらゆる情報をもとに末梢神経障害の原因を考えます。また、加齢による場合もあります。

ところが、末梢神経だけではなく脊髄が障害されて手足がしびれる場合もあります。領域は神経内科、脳外科、整形外科が専門です。かかりつけのお医者さんにご相談ください。