健康なんでも相談室

手荒れ 副題:手袋による予防が大切

回答者:  西部医師会員 石原政彦

質問

最近手荒れがひどいのですが、その原因やなりやすい体質、さらに予防法・治療法等について教えてください。

回答

手荒れは、普段よく見かける皮膚病の1つです。年中みられますが、特に冬場に悪化します。原因別には2つに大別されます。第1のタイプは、主婦の手湿疹といわれるものです。炊事や洗濯時のお湯,洗剤により皮脂がとれ、手全体がかさつき,指先には細かい亀裂ができます。指紋が消失することもあります。亀裂がひどくなると痛みを伴い、さらに赤みが加わると痒くなり、あかぎれと言われます。第2のタイプは、手のかぶれによるものです。手をよく使う職業人、かぶれやすいもの(洗剤、食品添加物、植物、砂、セメント、接着剤、印刷物、農薬、パーマ・毛染め液、シャンプー・石けん、消毒薬等)を扱う人に生じ、必ず痒みを伴います。手のひら以外に、手の甲や指の背面にも小水疱、紅斑がみられます。そして両方のタイプは、同時にみられることがよくあります。手荒れを生じやすい体質としてアトピー素因が有名であり、患者の83%に認められるとの報告もあります。

手荒れを予防するには、その原因や悪化因子を確認し、除去することが重要です。その上で、綿・プラスチック・ゴム手袋を使って皮膚を保護します。但しゴム手の場合はかぶれやすく、綿手袋を着用してから使用します。治療は対症療法しかなく、ワセリン製剤、尿素・ヘパリノイド軟膏、外用ビタミンE・A軟膏等で保湿、保護を試みます。痒みがある場合には、抗アレルギー剤の内服とステロイド軟膏を外用します。但し悪化因子に手を暴露しながらの治療は、効果が現れにくいので注意してください。