健康なんでも相談室

手指の変形性関節症?

回答者:  鳥取県西部医師会員 瀧田寿彦

質問

 66歳男性です。2年前くらいから、両手指の関節に痛みがあり、手を握ると痛みがあり握力に力が入りにくくなりました。特に、親指小指の第1・2の関節に痛みが多いので、整形外科でX線・リウマチ検査と治療を3ヶ月くだい行いました。診断病名は、リウマチの疑いでしたが、確定ではないようでした。痛み止めの薬を服用しましたが、特に効果が上がったと感じ取れなかったので中止してしまい、その後は風呂や温泉でマッサージを続けています。痛み初めには、関節の腫れがありましたが、今はありません。病名と原因がはっきりしないままで、これからの対応についても分からないので、悩んでいます。どうか、よろしくお願いします。

 

 

回答

 関節リウマチとの鑑別必要

 

 関節の症状が始まって2年経過していること、整形外科でリウマチの疑いはあるも確定ではないといわれたということ、関節の腫れが現在は消失していること、年齢が66歳であることから考えますと、関節リウマチというより手指の変形性関節症である可能性が高いと考えます。 変形性関節症は、膝や股関節などに起こるものがよく知られていますが、手指の関節にも起こります。この場合関節リウマチとの鑑別が重要です。手指の変形性関節症は、指の関節軟骨がすり減って、指に痛みや変形が生じますが、通常は関節リウマチのように関節が壊れたりはしません。指の末梢の第1関節に生じやすいですが、リウマチのように第2関節に起こることもあります。主な原因は関節の老化によるものですが、指の使いすぎも発症に関係していると考えられます。変形性関節症に対する対処法としては現在行っておられる温泉、風呂でのマッサージは温熱療法の一つで問題ありません。整形外科の外来であればパラフィン浴などの物理療法も有用です。手の使いすぎは控えるようにしましょう。痛みが強い場合は消炎鎮痛剤などお薬で対処することになります。変形が進むのは避けられませんが、痛みは治まってきます。これからの対応としてリウマチ専門医を受診して再度関節リウマチでないか診てもらっておくとよいでしょう。