健康なんでも相談室

急激な体重減少-病的原因の可能性も

回答者:  西部医師会員 都田裕之

質問

53歳男性。ダイエットも運動もしていないのに、急に先月よりも3Kgほど体重が減少しました。食欲もあるし、生活も普段と変わりありませんが、診察を受ける必要があるでしょうか。

回答

日常生活に特に変化がない状況で、1ヵ月で3Kgの体重減少は自然の変動範囲を越えており、この場合、病的な原因の有無を検索する必要があると判断されます。体重減少の原因は、大きく、食事摂取量の減少、栄養素の消化・吸収の障害、栄養素の喪失、エネルギー消費の増大、エネルギーの利用障害に分類されます。

ご質問の内容から、過労や運動、発熱、薬物による以外のエネルギー消費の増大やエネルギーの利用障害を考える必要があると思われます。具体的には、甲状腺機能亢進症、糖尿病、悪性腫瘍、結核などが鑑別にあがります。これらの疾患では、体重減少に随伴症状を伴わないで発症することも少なくありませんので、総合的に診察を受けることができる医療機関を受診されることをおすすめいたします。