健康なんでも相談室

心肥大と言われた

回答者:  鳥取県西部医師会員 面谷博紀

質問

 狭心症にて通院加療中の70歳代の男性。今まで心臓肥大の指摘を受けたことはありませんが、風邪を引き、かかりつけの医院を受診した際レントゲン検査を施行され、心臓がかなり肥大しているといわれました。心肥大は急になるものでしょうか。病院で早急に診てもらった方がいいのでしょうか。

 

 

回答

 心臓超音波検査を

 

 レントゲン写真で“心臓の陰が大きい”場合によく「心(臓)肥大」という言葉を使いますが、実際には心陰影の拡大、すなわち「心拡大」を意味します。心拡大の要因は一般的には高血圧症や心臓の病気そのものにもよりますが、今までの定期的な検査では心肥大といわれたことがないのに、今回のような風邪症状に伴って心拡大を指摘された場合、さらには息切れ、動悸、胸痛などの症状を伴っていれば、稀ですが心のう液が増加し、また心筋が収縮力を失い心不全状態を来す心膜炎、心筋炎の可能性を考える必要があります。また狭心症の持病があるので、心筋梗塞などにより心拡大を来した可能性も考えられます。心拡大の原因を調べるためには心エコー(心臓超音波検査)による検査が極めて有用です。何らかの胸部症状があるようでしたら早急に、症状がなくても一度心エコーを受けてみられることをお勧めします。主治医に相談してみてください。