健康なんでも相談室

心房細動が続いている-脳塞栓の予防には抗凝固剤を使用-

回答者:  国立療養所西鳥取病院名誉院長 北川達也

質問

68歳男性。7年前脳梗塞で入院加療、6年前から心房細動で治療をしています。はじめの頃は薬でよくなりましたが、今は薬をいろいろ替えてもらっても効果がありません。今後、どうすればよいでしょか。

回答

心房細動はよく見られる不整脈で、人口の高齢化に伴って増えてきています。この心房細動では脈が一定せずリズムも強さも絶えず変動しているのが特徴です。心房細動が続いているとのことですが、一般的に発作的なものでなく、長い間続いている慢性のものでは薬を使ってもなかなかとれません。症状は動悸や胸の圧迫感などですが、自覚症状のない人も多いようです。

心房細動の問題点の一つは心臓からの血液の拍出量が減少し心臓の効率が悪くなりますので、心不全などを起こしやすいことです。もう一つは心臓の中に血液の塊ができ、それが血液の流れに沿って脳に飛んで行き脳の血管を詰まらせて脳塞栓を起こすことです。この脳塞栓は脳梗塞の一つのタイプです。

7年前の脳梗塞の原因が心房細動に起因した脳塞栓かどうかはっきりしませんが、今後は脳梗塞(脳塞栓)をいかに防ぐかが重要なことです。この脳塞栓の予防に血液の凝固を抑える抗凝固剤の服用がよく行われます。この場合、血が止まりにくくなりますので血液検査で血液凝固系のチェックをし、また他の病気の有無にも注意を向けていく必要があります。実際の適応については主治医とよく相談されるのがよろしいと思います。