健康なんでも相談室

心の悩みと体の不調が続いている

回答者:  鳥取県医師会常任理事 渡辺 憲

質問

58歳の主婦ですが、一昨年、姑が脳梗塞で倒れたショックで自律神経失調症と診断され、持病の高血圧が悪化したり、立ちくらみがして、1日のうち1~2時間はぼうっとしています。食欲はあり、睡眠もとれ、寝込んでいるわけではないのですが、口では表現出来ないえらさです。また、姑の介護、子供たちの結婚のことなど、次々、不安がおそってきて、憂鬱になることもしばしばあります。何かよい方法(訓練、日常生活の工夫など)をお教え下さい。

回答

大変ご苦労なさっておられます。まず、体の症状の背景には、お気づきのように持続的な精神的ストレスが深く関与していると思われます。強いストレスに長くさらされると、精神的な極度の疲れがこうじて、気分が沈み、意欲(元気)が出なくなるとともに、だるさ、疲れ易さ、動悸、血圧上昇などの体の変調が現れます。これらは、すべて、うつ病のサインです。

うつ病は、必ずしも深い憂鬱な気分を伴うわけではなく、体の変調、元気のなさだけで現れることもよくあります。あなたのご病気は、軽症のうつ病が混ざり合っている可能性が考えられます。まず、現在かかりつけの先生に、精神的な悩みをお話し、症状の背景をよく理解してもらいましょう。最近は、副作用の少ない抗うつ剤(うつ状態の治療薬)が開発され、内科の先生もよく使っておられます。

ある程度症状が改善した後の「心の健康法」については、次の表のとおりです。
【表】心の健康法
1. 気分転換を上手に
2. できないことはできないと早く見極める
3. 家族・友人にとにかく悩みを打ち明けてみる
4. 日頃から心のバランス自己点検を
5. 自分流のストレス解消法を
 〈ストレス解消3つのR〉 レスト(休養)、リラクゼーション(くつろぎ)、レクリエーション(気晴らし)