健康なんでも相談室

家庭血圧の上手な使い方

回答者:  鳥取県西部医師会員 高見 徹

質問

70歳代の女性。少し頭が痛いので、家で血圧を測ったら普段より高いため、心配になって受診しました。こんなとき家庭で血圧を測った方が良いでしょうか。

回答

体調良いときに測定を

家庭血圧計は一家に一台ある時代になりましたが、その使い方が間違っている場合を多く経験します。本来、家庭血圧を上手に測ってきてもらえば、高血圧症に対しては大変参考になります。このように家庭血圧計を使う目的は、①高血圧で受診した方がよいかどうかの目安になること、②高血圧の薬を飲んでいる方の血圧コントロール状態の評価に有用である点にあります。従って、よく眠れた体調の良いときに測定時期を決めて測定する習慣が大事です。

測定ポイントは、①朝起きてトイレを済ませてから朝食をとるまでのポイント(血圧の薬が朝まで効いているかどうかが分かる)、②風呂上がりや晩酌後ではない夜間就寝前のポイント(1日の血圧の平均値に近い)、が良いと思います。ご質問のように、体調が悪い時に血圧を測っても高血圧の参考にならず、却って不安を増長するだけです。体調が悪い場合には、血圧は測らず速やかに受診される方が良いと思います。